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グランドセイコー「44GS」にみるセイコーの哲学とは?

現代44GSのスケッチ。ベゼル下側の逆傾斜は初代から継承する。ケースサイドは二次曲面になっている。

誕生55周年を迎えた燦然と輝くウオッチ

最高精度のムーブメントを搭載し、1960年に誕生したグランドセイコーは、常に「正確さ」「美しさ」「見やすさ」を追求してきた。そして一目でそれと分かる特徴的かつ美しく、見やすい外観を創出するため「平面を主体として、平面と二次曲面からなるデザイン。

三次曲面は原則として採り入れない」「ケース・ダイヤル・針のすべてにわたって極力平面部の面積を多くする」「各面は原則として鏡面とし、その鏡面からは極力歪みをなくす」という、3つのデザイン方針が定められた。そしてそれを実現するための9つの要素を制定。これを名付けてセイコースタイル。最初に具現化したのは、1967年誕生の「44GS」である。目指したのは、燦然と輝くウオッチ。外観全体に平面と鏡面を多用しているのは、そのため。さらに立体的な造形で鏡面の下の影を操り、光と陰影とを調和させた。

現行モデルの「SBGH277」は、44GSの外観を現代的に再解釈した現行モデル。ケースサイドに顕著に見られる様々な角度に傾斜した大きな平面は、ポリッシュ仕上げで多方向に光を反射して、造形美を一層豊かにする。

この鏡面の輝きをかなえるのは、1960年代から受け継ぐザラツ研磨技術。セイコースタイルは、この仕上げ技術を前提として確立されたのである。またダイヤルの針とインデックスも多面カットが施され、同時に表面は平滑に設えられて美観と視認性とが両立している。


最新の素材と成形加工技術を投入した、新型キャリバー

メカニカルハイビートの復活に際し、セイコーは高速振動に必要なトルクと実用的な駆動時間を両立するため主ゼンマイの素材自体を見直した。

こうして6年をかけて生まれた新素材「スプロン530」は、既存素材よりバネ力を約6%、持続時間を約5時間向上させることに成功した。

またガンギ車には、新たに中間車を追加して増速。さらに超精密成形加工技術MEMSによって理想の形状を得ると同時に、軽量化も実現している。


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